1-1.色の三属性

1-1.色の三属性

 色は3つの属性を持ち合わせています。その属性は、色相・明度・彩度といいます。

(1)色相

 「しきそう」と読みます。海の色は青、ポストの色は赤、草花の葉の色は緑と誰もが感じています。しかし実際は、草花の葉とはいっても、草花の種類によって色は異なります。それでも草花の葉の色は緑といっても誰も不思議とは思いません。草花の葉が赤や青に属する色だと主張する人はおそらくいません。

 また、黄色いレモン、黄色いナシについても同様です。

 比べてみれば多少異なる黄色ですが、この色を赤、青、緑などに属させるべきでないと思います。

 色にはこのような分け方のできる属性があり、これを「色相」といいます。

(2)明度

 「めいど」と読みます。チューリップの葉の色と菊の葉の色は同じ緑でも、チューリップはやや明るい緑なのに、菊はやや暗い緑です。

 このように同じような色であっても、色が異なっても、明るく見える色、暗く見える色があります。

 色には色相に関わらず、明るい、暗いに分けることができる属性があり、これを「明度」といいます。

(3)彩度

 「さいど」と読みます。黄色いレモンの色と、黄色いナシの色を比べると、ナシよりレモンの黄色の方がかなりあざやかに見えます。

 ポストの赤と、レンガの赤を比べてみると、ポストの赤は、レンガの赤よりあざやかです。これらは明度の高低には関係ありません。

 色にはこのように色相・明度に関わらず、あざやかさの度合いで分けることができ、この属性を「彩度」といいます。

(4)色差

 調色の精度を色差計を用いて測定するのが、このときに得られる色の差を色差といいます。

 色差は、L値、a値、b値から算出されます。

 L値は、色の明るさ(明度)を表し、0~100まであり、0が黒で100が白であり、数字の大きいほど明るい色を表します。

 a値、b値は色味の強弱を表し、a値がプラス(+)側だと赤味を表し、マイナス(-)側だと緑味になります。b値はプラス(+)側だと黄味を表し、マイナス(-)側だと青紫味になります。

 色差計で、標準板と調色板を測定すると、L、a、bの数値から色差(△E:デルターEと読みます)が算出され、調色の精度が確認できます。

5-3.セメント系下地調整厚塗材

5-3.セメント系下地調整厚塗材

 一般的にはポリマーセメントモルタルの通称で呼ばれ、3~10㎜程度の厚膜に塗布する下地補修材です。

 セメントフィラーは全面に塗布するケースが多いですが、ポリマーセメントモルタルは、ジャンカや段差などの部分補修に使用されることが多いです。

 1種(下地調整塗材CM-1)と2種(下地調整塗材CM-2)があり、2種で下地補修した面には、すべてに仕上げ塗材が塗布できますが、1種で下地補修した面には、主に適用できる仕上げ塗材に制限があるので注意が必要です。

5-2.合成樹脂エマルション系下地調整塗材

5-2.合成樹脂エマルション系下地調整塗材

 有機フィラー(下地調整塗材E)で、硬質タイプと微弾性タイプがあり、目的により使い分けています。

 合成樹脂エマルションに顔料、骨材、添加剤などを配合した高粘度塗料で、吹き付けやローラーで0.5~1㎜程度に塗り付けるタイプで改修工事に多く使用されています。

 上塗りは原則的に水性系を用いるとよいです。

6.その他外装材

6.その他外装材

6.1 建築用塗膜防水材(JIS A 6021)

 建築用塗膜防水材は、主に、鉄筋コンクリート造建築物の屋根及び外壁などの防水工事に用いられています。

 外壁用にはアクリルゴム系、ウレタンゴム系、クロロプレンゴム系、シリコーンゴム系があり、より防水性を重要視した建物に使用されます。

5-1 セメント系下地調整塗材(1種、2種)

5-1 セメント系下地調整塗材(1種、2種)

 一般的にセメントフィラーの通称で呼ばれている下地調整材で、主剤と混和液で構成されています。

 取材はセメント、骨材、無機質粉体、混和剤などを成分にした粉体で、混和液はセメント混和用エマルション樹脂に少量の増粘剤、消泡剤などの添加剤を加えた液状樹脂です。

 使用時には規定された粉体と混和液の混合比に基づき配合し、混練りしてから使用します。

 1種(下地調整塗材C-1)は吹付け、こて塗り、ローラー塗りなどで0.5~1㎜程度の膜厚に塗布するタイプで、改修工事用に用いられることが多いです。

 2種(下地調整塗材C-2)はこて塗り専用の主に新築用で、1~3㎜程度塗付けます。

 2種で下地調整した面には、すべての仕上塗材が塗布できますが、1種で下地調整した面に適用できるのは、内装薄塗材E、外装薄塗材E、複層塗材E及び塗料です。