5.建築用下地調整塗材
下地調整塗材はJIS A 6916に規定されており、建築用仕上塗材の内外装仕上工事の下地調整のために使用することを目的として開発された塗材です。
最近では陶磁器質タイルの内外装工事などの下地調整に使用されることも多くなってきています。
種類は、セメント系下地調整塗材2種類、合成樹脂エマルション系下地調整塗材1種類、セメント系下地調整厚塗材2種類の合計5種類があります。
下地調整塗材はJIS A 6916に規定されており、建築用仕上塗材の内外装仕上工事の下地調整のために使用することを目的として開発された塗材です。
最近では陶磁器質タイルの内外装工事などの下地調整に使用されることも多くなってきています。
種類は、セメント系下地調整塗材2種類、合成樹脂エマルション系下地調整塗材1種類、セメント系下地調整厚塗材2種類の合計5種類があります。
複層仕上塗材は下塗り・主材・上塗りの3層で構成する仕上げ材です。
主材の種類で分類されて10種類ありますが、使用頻度の高いのは複層仕上塗材E(吹付けタイル)、防水形複層塗材E(弾性タイル)、複層塗材RE(水性エポキシタイル)などです。
耐久性は上塗りの性能で決定しますが、耐候性の品質規格にA法とB法があります。
A法は標準的な耐候性試験で、促進耐候性の試験時間を300時間と規定しています。
B法を選択すると、耐候形1種(促進耐候性試験 2500時間)、耐候形2種(促進耐候性試験 1200時間)、耐候形3種(促進耐候性試験 600時間)の分類があり、発注者が耐候性能を指定することができます。
下塗りはそれぞれの塗装仕様に基づいたものを選択します。
(a)合成エマルション系複層仕上塗材(複層仕上塗材E)
一般的に吹付けタイルと通称される複層仕上塗材の代表です。
主材は顔料、短繊維、合成樹脂エマルション、添加剤などで構成された高粘度の塗材で、タイルガンを用いて凹凸状、ゆず肌状、月面状などの模様を形成します。
凹凸状に吹き付けた後に、押さえローラーを用いてキャスト状にする仕上げもあります。
なお、意匠ローラーによるローラー仕上げもあります。
仕上げに必ず上塗りを塗装します。汎用的にはアクリル系樹脂塗料が使用されていますが、昨今は耐久性能を考慮して、ポリウレタン系樹脂塗料やアクリルシリコーン系塗料などの採用が増えています。
(b)防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材E)
一般的に弾性タイルと通称される壁面防水を目的に使用する仕上塗材です。
主材にゴム弾性を備えた合成樹脂エマルションを使用しており、主材層の膜厚が防水性能を左右します。
主材は2回塗りが標準で、この時に得られた塗膜厚が発生するひび割れに追随して性能を発揮するので、塗付け量に注意して塗装します。平均的には膜厚が0.8~1㎜程度で、躯体からのひび割れ幅1㎜程度まで追随できるとされているものが多いです。
ただし、開口部回りなどひび割れの発生しやすい箇所は、主材を増し塗りにするとよいです。
保護層の上塗りは複層塗材Eと同様ですが、防水形の上塗りは、主材に対応できるように軟質系になっています。
(c)反応硬化形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(複層塗材RE)
一般的に水系エポキシタイルと通称されている仕上塗材で、考え方は複層塗材Eと同様と考えます。
主材に使用する結合材に、反応硬化するエポキシ樹脂エマルションなどの合成樹脂エマルションを使用しているタイプです。
(a)外装セメント系厚付け仕上塗材(外装厚塗材C)
一般的にはセメントスタッコの通称で呼ばれる外装仕上げ材で、最も大柄な意匠ができます。
主材はポルトランドセメントや白色セメントに骨材やセメント混和用のポリマーディスパージョンを加えて混練りしたものを、スタッコガンで吹付けて凹凸模様を形成しいます。この後、凸部を押さえてキャスト状に仕上げたり、凸模様のままに仕上げたりします。
主材のままで仕上げたり、上塗りを塗装して好みの色相にしたり、光沢を付与したりする仕上げもあります。
(b)外装合成樹脂エマルション系厚付け仕上塗材(外装厚塗材E)
一般的にはアクリルスタッコの通称で呼ばれる外装仕上げ材で、大柄な意匠が特徴です。
主材は着色顔料に骨材、合成樹脂エマルション、添加剤などを加えて塗料化したもので高粘度です。
スタッコガンや口径の大きいタイルガンを用いて吹き付け、凹凸模様を形成します。
この後、凸部を押さえてキャスト状に仕上げたり、凸模様のままに仕上げたりします。上塗りを塗装して耐久性を向上させると同時に、好みの色相にしたり、光沢を付与したりしますが、主材のまま仕上げることもあります。