1-1-2 沸点による分類

1-1-2 沸点による分類

(a)低沸点溶剤(沸点100℃以下)

 (例)アセトン(56.3℃)、イソプロピルアルコール(82.3℃)、エチルエーテル(34.5℃)、酢酸エチル(77℃)など

 

(b)中沸点溶剤(沸点100~150℃)

 (例)キシレン(140℃)、トルエン(110.6℃)、酢酸ブチル(126.3℃)、メチルイソブチルケトン(115.8℃)など

 

(c)高沸点溶剤(沸点150~200℃)

 (例)シクロヘキサン(156℃)、テレピン油(153~175℃)、メチルシクロヘキサン(170℃)など。

1-1-1 化学式による分類

1-1-1 化学式による分類

(a)エーテル類

 (例)エチルエーテル、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブなど

 

(b)ケトン類

 (例)アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)など

 

(c)脂肪族炭化水素類

 (例)石油エーテル、石油ベンゼン、ミネラルスピリットなど

 

(d)芳香族炭化水素類

 (例)キシレン、トルエン、ソルベントナフサなど

 

(e)エステル類

 (例)酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなど

 

(f)アルコール類

 (例)メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなど

1-1.溶剤の分類

1-1.溶剤の分類

 塗料に用いる溶剤は、塗料の粘度を適正な状態に整え、正常な塗膜を得るために使用されていますが、単体で使用することは少なく、溶剤それぞれの特徴を生かした混合溶剤で使用されることが多いです。

 溶剤は、溶剤の持つ特性から次の3種類に分けられます。

 真溶剤:塗膜の骨格である樹脂を溶解する性質を持つ。

 助溶剤:樹脂を溶解する力はないが、真溶剤に混合することで溶解力が増したり、乾燥性を調節したりする。

 うすめ液:塗装に用いる塗料を適正な粘度に調整する。

 その他、化学式による分類や沸点による分類などがあります。


1-1-1 化学式による分類

1-1-2 沸点による分類

1-1-3 主な溶剤の特性

3.色彩調整(カラープランニング)

3.色彩調整(カラープランニング)

 住宅のカラープランニングを例にとれば、住民が快適な生活を送れれば良いだけではなく、周辺環境に調和することも重要です。

 色を決めるには、色の持つ特性(感性・快適性・イメージ・視認性など)を生かしながらになります。

 ここにカラープランニングの必要性・重要性が出てきます。

 住宅の外壁は町並みと調和すること、住民に快適さを与えながら飽きのこない色を選択するとなると、既存色やおとなしい色に落ち着くことになります。これもカラープランニングです。

 大胆にイメージを変えるような色や、目立ちやすい色を選択することも、カラープランニングです。

 提案者が住民でも専門家であっても、十分に検討されて決められた色ならカラープランニングです。

 さらに、色による約束事として安全色彩があります。安全色彩は色の持つ記号的役割(記号性・視認性・サイン性・記憶性など)を生かしたものです。

 安全色彩は、JIS Z 9101に制定されています。

色の種類 意味又は目的
防火、 禁止、 停止、 高度の危険
黄 赤 危険、 航海・航空の保安施設
注意
安全、 避難、 衛星、 救護、 保護、 進行
義務的行動、 指示
赤 紫 放射能

 

赤、 黄赤、 黄、 緑、 青
灰 色 赤紫に対する対比色
 

2.色彩の表示方法

2.色彩の表示方法

 一般的に塗料の色を決める場合、各種見本帳や実物サンプルなどが用いられています。

 塗料で最も標準的な見本帳が、(社)日本塗料工業会が発行している「塗料用標準見本帳」で、2年ごとに見直しが行われ、改訂され頒布されています。

 ほかに、各塗料メーカーが発行している各種見本帳があり、千差万別です。

 塗料の色は発注者が、それぞれの見本帳に表示された色番号で注文することになります。

 たまたま、「塗料標準見本帳」の色と塗料メーカー色が同じであっても、発注者は採用した見本帳の番号で注文することになり、見本帳がないと、その色がどのような色かは分りません。

 この色を記号化し、わかりやすくしたのがマンセル記号です。

 マンセル記号は、「5R6/4」のように表現され、「5アール、6の4」と読みます。

 「1.色彩の用語」で説明しましたが、5Rが色相を現し、6が明度、4が彩度を現します。

 色相は下記表のように分類され、1つの環として考えると理解しやすいです。

色相名 黄赤 黄緑 青緑 青紫 赤紫
色相番号 R YR Y GY G BG B PB P RP

 この10種類の色相相互間をそれぞれ4等分し、その中間色を表しています。

 5のつく色が代表的な色で、5Rなら赤の中の代表的な赤になります。この赤を、2.5Rと表現すると5Rの赤よりもRP寄りの色で、紫味の赤になります。7.5Rの赤は、5RよりもYRに寄った色で黄味の強い赤になります。10RはRとYRの中間色を指します。

 明度を表す数字は「1~9」まであり、白の明度を10、黒の明度を0とし、この間を10等分しています。数字が大きいほど白に近く、数字が小さいほど黒に近くなりますが、明度5を代表的な灰色としています。これらの色は無彩色と呼ばれています。

 彩度も数字で表しますが、数字が大きくなるほどその色の彩度は高くなります。すなわち、数字が大きいほどさえた色になります。数字は、0、2、4、6・・・のように偶数で現すのが一般的です。彩度0は無彩色を意味していて、一般的には用いません。

 なお、色味を持つ色を「有彩色」といいます。