8.乾燥遅延剤(リターダー)

8.乾燥遅延剤(リターダー)

 リターダーは、高湿度条件で乾燥の早いラッカーなどを塗装する際に発生するブラッシング(白化現象:塗膜の表面が白く曇った状態になる)を防ぐために使用されます。

 高湿度条件で早くうすめ液が蒸発すると、気化熱によって塗膜表面に結露が発生し、塗膜が白く曇ることになります。リターダーを添加すると乾燥が遅くなり、結果的に塗膜表面の結露を防止できます。

 市販のノンブラッシングシンナーは、ラッカーシンナーなどにリターダーを配合したうすめ液で、ブラッシング防止に使用できます。

7.剥離剤(リムーバー)

7.剥離剤(リムーバー)

 剥離剤は既存の塗膜を除去するときに用います。

 剥離剤の種類を大別すると下記の種類に分かれます。

  (a)溶 解 形 ・・・ 既存塗膜を溶解することで、剥がしやすくします。

  (b)軟化膨潤形 ・・・ 既存塗膜を軟化膨潤させることで、剥がしやすくします。

 

(a)溶解形

 溶解形は古くから使用されているタイプで、塩素系溶剤をベースに造られています。

 既存塗膜に規定量塗装すると、剥離剤成分が既存塗膜に浸透しながら溶解し、ヘラなどの工具で除去できる状態になります。

 溶解形は乾燥が早いので、塗り付けてから剥離するまでのタイミングが難しく、一般的には少量のビニル樹脂などが配合してあり、これが蓋の役目をして効果を十分に発揮させると同時に、作業しやすくしています。

 なお、塩素系剥離剤は環境問題から使用しにくくなってきています。

 

(b)軟化膨潤形

 軟化膨潤形は水性系が主流で、既存塗膜に塗装すると、剥離成分がゆっくりと浸透し塗膜を軟化膨潤させます。

 このタイプは既存塗膜に塗装後、8時間以上放置してから塗膜を除去するタイプが多いです。

 塗膜の除去方法は小面積ならヘラなどの手工具でよいですが、面積大きい場合は高圧水洗法が有効です。

6.つや出し剤(ワックス)

6.つや出し剤(ワックス)

 つや出し剤として使用されるのは市販のワックスで、ポリッシングコンパウンドなどで磨いた後に、さらに光沢のある塗装面にするために用いられます。

 ワックスは大別すると下記の種類に分けられます。

  ①植物系ワックス ・・・ 木ろう、ライスワックスなど

  ②動物系ワックス ・・・ みつろう、ラノリンなど

  ③鉱物系ワックス ・・・ モンタンワックスなど

  ④石油系ワックス ・・・ パラフィンなど

 市販のフロアーワックスや家具用ワックスは、鉱物系ワックスと石油系ワックスを主成分に使用したものが多いです。

5.乾燥促進剤(ドライヤ)

5.乾燥促進剤(ドライヤ)

 油性塗料は酸化重合で乾燥しますが、乾燥時間が遅く、特に冬期低温時にはさらに乾燥が遅くなるので、乾燥を早めたいことがあります。

 油性塗料には、もともと乾燥促進剤(ドライヤ)が配合されていますが、この乾燥速度を速めるために規定量添加して乾燥を早めるのが乾燥促進剤(ドライヤ)です。

 乾燥促進剤には、鉛系、マンガン系、コバルト系、ジルコ系などがあり、それぞれを添加すると、酸化重合を促進し乾燥が早くなります。

 ただし、添加量が多すぎると、乾燥バランスが崩れチヂミが発生したりするので注意が必要です。

4.研磨材

4.研磨材

 研磨材を形状的に大別すると次の3種類に分けられます。

  ①固形状なもの ・・・ 砥石など

  ②弾性状なもの ・・・ 研磨紙、スチールウールなど

  ③流動状なもの ・・・ ポリッシングコンパウンドなど

 それぞれ目的は異なりますが、道具を研磨したり、下地や素地を研磨したり、仕上げ面の仕上がり精度を向上させるために研磨します。