剥離剤は既存の塗膜を除去するときに用います。
剥離剤の種類を大別すると下記の種類に分かれます。
(a)溶 解 形 ・・・ 既存塗膜を溶解することで、剥がしやすくします。
(b)軟化膨潤形 ・・・ 既存塗膜を軟化膨潤させることで、剥がしやすくします。
(a)溶解形
溶解形は古くから使用されているタイプで、塩素系溶剤をベースに造られています。
既存塗膜に規定量塗装すると、剥離剤成分が既存塗膜に浸透しながら溶解し、ヘラなどの工具で除去できる状態になります。
溶解形は乾燥が早いので、塗り付けてから剥離するまでのタイミングが難しく、一般的には少量のビニル樹脂などが配合してあり、これが蓋の役目をして効果を十分に発揮させると同時に、作業しやすくしています。
なお、塩素系剥離剤は環境問題から使用しにくくなってきています。
(b)軟化膨潤形
軟化膨潤形は水性系が主流で、既存塗膜に塗装すると、剥離成分がゆっくりと浸透し塗膜を軟化膨潤させます。
このタイプは既存塗膜に塗装後、8時間以上放置してから塗膜を除去するタイプが多いです。
塗膜の除去方法は小面積ならヘラなどの手工具でよいですが、面積大きい場合は高圧水洗法が有効です。