8.内壁などの造作

8.内壁などの造作

 室内壁には、外壁の室内側壁面と、間仕切り壁面とがある。外壁の室内側壁面は結露を生じやすいので注意が必要である。内壁は外壁のように風雨にさらされないかわりに、快適な生活環境をつくるように、室内外の防音、熱の伝導、壁面の色彩や感触、防火、衛生などその室の用途によって内壁仕上げを考えなければならない。

 内壁仕上げには塗り壁、張り壁、板張り仕上げなどがある。内壁に、室の使用目的、装飾、仕上げ面のおさまりから、幅木、羽目、出入口、窓まわりなどの化粧材を取り付ける。これらを造作という。

 幅木は、壁が床に接するところに取り付ける部材で、足のあたりやすい壁面の保護と装飾を兼ねたものである。

 額なげしは、床から2mぐらいの高さに水平に取り付け、壁仕上げや色彩の変化をつけるために設ける。

 羽目は、壁面の装飾と保護を兼ねるもので、腰のあたり、つまり床上約1mぐらいまでのを腰羽目、それ以上のものを高羽目という。羽目の上端には見切り縁としてのかさ木を設ける。

 和室の壁に取り付ける造作材としては、付けかもい、畳寄せ、なげしなどがある。

 付けかもいは、かもいの高さに取り付け、畳寄せは、壁下の見切り及び畳のおさまりから用いるもので、なげしは、一般にうちのりなげしをいい、かもい上端にのせて取り付ける。

7.外壁

7.外壁

 外壁は、建物の外観を決定するものであるから、美しいものでなければならない。また、防火性、耐久性、しゃ音性、耐候性にすぐれ、風圧や衝撃に耐えうる十分な強さを持っていることも必要である。

 外壁には、板張り、金属板張り、モルタル塗り、石綿板張り、タイル張り、その他がある。

6.階段

6.階段

 階段とは、建物内のある階からその上又は下の階への交通路であり、いろいろの構造のものがある。木造・鉄骨造などの階段は側げた(ささらげた)、踏板(段板)、けこみ板によって構成されている。階段として備えていなければならない条件は、昇降しやすいこと、危険を伴わないことなどである。階段のこう配は大体20~50度であって、平面的にみると、直階段、折れ階段、回り階段、らせん階段などがあり、材料別にみると、石階段、木造階段、鋼製階段、コンクリート階段などがあるが、床と同様に構造部と表面仕上げ部からなっている。建築基準用施行令には、危険防止の立場から、階段及び踊り場の幅、けあげ及び踏みづらの寸法など最低の基準が定められている。

5.天井

5.天井

 天井は室内上部の構造体や諸設備の配線・配管などを隠し、音、熱など外界の影響をしゃ断したり、吸収したり、内部の音、熱、光の反射吸収など部屋の環境をよくするために設ける。天井の種類には、塗り天井、板天井、張り天井などがあり、多くの材料があるが、目的により適当なものを選ぶ。

4.床

4.床

 床は、建物内を水平に仕切り、人や諸道具などの重量を安全に支えること。水平力を分担することなどの役目があるとともに、直接人に接する部分であるから、衛生的で、足触りがよく、滑らない、騒音を立てないなどの必要がある。

 また1階床には、つか立て床ところばし床とがあり、2階床には、普通の床と根太床及び組床がある。