2.標準仕様書

2.標準仕様書

 建築生産全般の品質向上にも役立つという観点から、日本建築学会では、建築工事標準仕様書(略称JASS)を定めている。常に新しい学術的成果を取り入れ、日本の現段階における工業水準をふまえ建築生産においてあるべき品質の基準を示している。一般に工事は、この標準仕様書にしたがって施工するのが常である。

 建築工事標準仕様書 JASS 18 塗装工事

JASS 23 吹付工事

 一般に工事施工技術や主要な材料の品質は、工事ごとにまちまちでなく一定の水準を保持していることが望ましいことから、同種の建物を発注する機関ではとくに各工事に共通する部分の仕様を作成している。この仕様を共通仕様書という。

1.仕様書の内容

1.仕様書の内容

 一般に工事仕様書には次のような事項を記載するのが通例である。

①工事概要

 工事場所・工事規模(構造種別・面積・階数・軒高など)・工事種目(新築・増築・改造工事など)・工事範囲・除外工事

②適用範囲・一般的注意事項

 建築主ならびに設計監理者側の承認を要する事項・疑義を生じた場合の処理・検査方法・官公庁への手続き・諸報告の要領等

③使用材料

 種類・品質・寸法・試験方法等

④施工方法

 工法・施工精度・仕様機械・技能者が持っていなければならない資格等

⑤特記事項

 特殊仕様・指定材料等

⑥工事別仕様

 これらの記載の中で、材料の品質などは指定されているが、2つ以上のメーカー名が指示され、単価の差などについて十分検討できる余地が残されている場合もある。

2.見積書の種類とその内容

2.見積書の種類とその内容

 見積のための書式を大別すると2種ある。

①見積書(工事代金の総額などを記入)

②工事費内訳明細書

 見積書の作成にあたっては、設計図及び仕様書を補完する意味で明細書を添付すべきであり、建築主あるいは設計者の見積り上の疑義や設計図又は、仕様書の変更に伴う工事費の増減について、適確に対応できるものではなくてはならない。また見積りで、除外(別途)工事を明記しておくことも大切で、工事に含まれないものを明記すれば、それ以外のことで設計図にあるものは全部工事に含むということで、実際の施工範囲と責任が明確になる。