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2 アルミニウムペイントの塗装
2 アルミニウムペイントの塗装
塗装の対象は金属で、大部分多鉄部である。次が亜鉛めっき部で軽金属は少ない。塗装後乾燥する過程でアルミ粉が塗膜の上面に浮いて、不透気性の層を形成すると考えれている。塗料の性質上、材料が軽いため、あまりはけさばきを大きくすると飛散したり塗膜が薄くなるので注意したい。また、亜鉛めっき部は塗料の付着性が悪いので、エッチングプライマーで処理し、鉛酸カルシウムさび止めペイントを塗装する。現在はさび止めを兼ね、変性エポキシさび止めプライマーを使用することが多い。
現在は既調合タイプが主流で、アルミ粉又は、アルミペーストと油ワニスとが別々になったセパレーツタイプはほとんど使用されていない。
1 調合ペイントの塗装
1 調合ペイントの塗装
調合ペイントの塗装には、油性調合ペイントと合成樹脂調合ペイント塗装の2種別がある。どちらの場合も木部、鉄部、軽金属など塗装を必要とする箇所に施工することができる。通常、下塗(鉄部はさび止め)、中塗、上塗の3回塗りで仕上げる。
油性調合ペイントは、1回塗りの塗膜が他の塗料に比較して厚いため、耐候性は良いが乾燥時間が遅く1回目と2回目の塗装間隔を48時間以上(23℃±0.5℃)あける必要がある。また、塗面にはけ目の立つのが欠点である。
合成樹脂ペイントは、乾燥時間が早く、塗装間隔は16~24時間以上(23℃±0.5℃)で、乾燥した塗膜は硬くはけ目も殆ど無く、つやも良く仕上がり感が美しい。ただ乾燥塗膜は油性調合ペイントよりも薄い。油を含んだ塗料は、乾燥過程でホルムアルデヒドを放散するので使用面積制限がある。ただし、最近はメーカーによっては、F☆☆☆☆表示品もある。
4 浸漬塗り
4 浸漬塗り
塗料の中に直接塗るものを浸して引き上げるので、俗に「じゃぶづけ」とか「つけ塗り」などとも呼ばれる。
同一の品物を数多く塗る場合の工法で、工場の製品塗装に用いられているが、建築の現場塗装にはほとんど必要がない。
(1)方法
塗ろうとするものを一定の短い時間沈めておき、すみずみまで十分塗料をいきわたらせてから引き上げる。余分の塗料は自重と流動性のために下方に流れ、平らな塗装面を作る。特に塗り方などというものはないので、未熟練者でも少し慣れればできるようになる。大切なのは、塗料条件の調整である。
(2)塗料の条件
塗料はたれ切れがよく上方と下方の塗膜が均等な厚さになり、最下部の塗料のたまりを、はけでぬぐう必要のないほど塗料が調整しやすいことと、長時間同じ塗料を使用しても、その間の溶剤の蒸発などによる粘度変化の調整が行いやすいことなどが必要である。
(3)利点と欠点
(a)利点
①技能的な熟練が必要である。
②塗料のむだがない。
③設備をすると、それ以上の費用が不要である。
④全面を一度に塗ることができる。
⑤厚膜塗膜が得られる。
(b)欠点
①塗らない部分には養生が必要となる。
②塗料の粘度調整をして、条件を決定するまでに時間がかかる。
③同系のものを大量に塗装するのでないと不経済である。
④乾燥炉を併用した流れ作業でないと効果的でない。
⑤速乾性の塗料には多くの場合不適当である。
3 たんぽずり
3 たんぽずり
クリヤラッカーのような速乾性の塗料を用いて、家具や木工塗装で、塗り終わったあとの塗装面に残るはけ目を消して平滑な面を得るために行う工法である。熟練を要する作業であるが、最近はポリッシングコンパウンドを利用して、少し慣れれば、だれもが一様にみがき仕上げができるので、たんぽずりは以前ほど行われなくなった。
(1)すりこみ準備
まず、15cm~20cm角くらいのカナキンか、木綿の布の中に一握りくらいの綿を入れて、少し弾力があるくらいに包んで、たんぽを作る。
(2)すりこみ要領
塗料を5~6倍に薄めて、初めのうちは塗装面を螺旋状に回しずりをしながら、最後に木目に沿って仕上げずりを行う。