1.塗膜の診断技術

(1)外観観察による方法

 旧塗膜の外観から塗膜の劣化度を判断する。屋外の塗膜劣化は、一般に、光沢消失→白亜化(チョーキング現象)→割れ発生→はく離と進行する。光沢が消失して、白亜化が進み、塗面にわずかに割れが観察される時期が、塗替えの最も適切な時期と判定してよい。この状態の塗膜を活膜といい、塗替えの際、除去する必要のない塗膜である。

 この時期を過ぎて、割れが全面に発生し、さらに部分的はく離が進行する時期は、既に耐用限界期であると判断される。この状態の塗膜は”生きていない塗膜”と判定され、塗替えの際、除去すべき塗膜である。

  鉄面塗装では、さびの発生度を観察して判定する。劣化の状態を外観観察のみで判断するのは確実さに欠けるので、さらに次のような方法で調査し、総合的に劣化を判定する。

 

(2)計器を用いる方法、その他の方法

 塗膜の表層強度の測定、及び下地と塗膜間の付着力の測定を行って、劣化の状態を判断する方法である。

a 引張試験機を用いる方法

0.49MPa(5kgf/)以上は、塗膜は活膜と判定する(旧塗膜は存続する)。

0.49MPa(5kgf/)未満は、塗膜を生きていないと判断する(旧塗膜を除去する)。

 

b 接着テープを用いる方法

 塗膜をカッターでクロスにカットし、その上に接着テープ(特に布製ガムテープ)を強く密着してはがす。その接着テープに付着する塗膜の程度を調べて判定する。

 

c 溶剤系シーラーを用いる方法

 塗膜に溶剤系シーラーを十分に塗布して、30分~1時間後の塗膜の状態を調べる。溶剤の影響で塗膜に軟化・ちぢみ・浮き・はく離などを生じる場合は、塗料の付着不良の原因となるので、旧塗膜は除去しなければならない。

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