1.コンクリート構築物について

 コンクリートは、圧縮に対する強さは大きいが、引張りの力には弱い。コンクリートの中に鉄筋を入れて補強したものを鉄筋コンクリート(RC)という。これは圧縮に強いコンクリートの特性と、引張りや曲げに強い鉄筋の特性を生かした複合材料で、この材料を基本としてSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)、CB(補強コンクリートブロック)構造が開発され、さらには工場でコンクリートパネルを生産するPC(プレキャストコンクリート)工法が、今日のビル建築の工期短縮に寄与している。

(1)RC造(鉄筋コンクリート造)

 コンクリートを鉄筋で補強したものを鉄筋コンクリート(RC:Reinforced Concrete)といい、このRCで主要な部材を構成する建物をRC造という。コンクリートの材質により、鉄筋コンクリートと軽量鉄筋コンクリートに大別される。

(2)SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)

 鉄骨造(S造)とRC造を組み合わせ、鉄骨骨組の周囲に鉄筋を配し、コンクリートを打ち込んだものをSRC(Steel framed Reinforced Concrete)といい、それらを主要構造部材とする建物をSRC造という。

 力学的には、鉄骨と鉄筋コンクリートが協力した構造体として働く。鉄骨と鉄筋の比率に標準的なものはなく、鉄筋コンクリートを鉄骨の座屈止め程度に扱ったものから、鉄骨断面が小さく、ほとんど鉄筋コンクリートに近いものまでかなり幅広い。一般には鉄筋コンクリートより粘りがあるため、高層建築に多く利用されている。

(3)PC(プレキャストコンクリート)

 あらかじめ工場で製作したRC部材を総称して、PC(Precast Concrete)という。壁パネル・床パネル・屋根パネルなどのPC板が工場で生産され、これらを現場で組み立てて構造体をつくる。なお、コンクリートには、普通コンクリート・軽量骨材コンクリート、あるいは気泡コンクリートなどを使用する。

 塗装施工にあたっては、建築物の部位によって仕上げが異なる。

 セメントまたはせっこうを原料とするパネルが、コンクリート建築物の壁や天井部に使用されている。

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