3.段取りと手配

 作業を順調に進めるには、必要な材料や労務、そして施工機械の器具などの準備や搬入の手はずを確実に整えることが大切である。作業の手順をあらかじめよく打ち合わせ、作業の進行中に予想される技術上の問題点などについては事前に解決しておき、材料待ち、段取り待ち、他の仕事と重なる仕事待ちといった、現場の手持ちや手もどりが生じないようにしなければならない。

 作業の順序や方法を決めて、それに従って必要な機械器具などを用意したり、材料や労務の発注時期を決めたり、現場における作業の打ち合わせをしたりで、作業の下準備をすることを段取りといい、段取りにもとづいて材料や労務を発注し、あらかじめ作業に支障のないような措置を講ずることを手配という。段取りと手配はともに手落ちのないように準備することが必要であり、工事の能率は段取りいかんにかかっているといえよう。

 材料については、必要な数量と所要納期を明確にして準備させる。現場に保管場所があれば、値段や数量などを交渉して前もって発注し、搬入した資材を検査した上で保管しておけば、工程に合わせて準備することができるが、現場が狭いと、作業に合わせて搬入することになるので、手配をおこたると、労務者はそろったのに材料がなかったり、数が不足したりして、職人を遊ばせることになり、工事が遅れることにもなるので十分注意すべきである。

 材料と労務は、どちらか一方が欠けても工事の進行は停滞してしまう。したがって必要な労務の人数は、材料の手配と関連しながら、工程表をもとにして、仕事の量と進み具合から何人工必要であるかを決めて、工事に間に合うよう手配しなければならない。

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