1.施工計画

 設計図及び仕様書によって、工事の内容を十分研究するとともに、現場条件の調査などの準備段階でそろえた資料をもとにして、次にいかなる方法で工事を行ったらよいかを検討する。つまり所定の工期内に、所定の品質や精度のもとで、決められた予算ないで仕上げることができるような工事の方法を検討して、作業方法や工程計画、労務及び資金計画にいたるまでの計画を立てて、適正な工事ができるようにしておく必要がある。一般には次のような内容を検討しながら、工事を進めるための計画を立案していく。

(1)工事条件の検討

 工事の内容、技術的な条件、規模など、これらの調査研究は、準備段階で十分に検討されているはずであり、これらを整理して合理的な工程計画を準備し、工期に合わせる計画を立てる。

(2)作業方針・作業方法の決定

 設計図と仕様書で示された工事内容及び工事の特色や特殊な部分などについて、総合的に検討研究する。

(3)作業順序(工程表)

 作業方針を立てたら、これをもとにして工程表を作成する。

(4)作業用機械、器具の検討

 工程をもとにして、使用する機械や器具の種類、数量、所定日数等を割り出して、使用計画表などを作成する。

(5)施工準備

 足場や作業床、安全防護設備、仮設倉庫などの設置について検討しておくが、工事の進行にしたがって、移動や撤去が必要となるので、全行程を研究して適切な時期に行えるようにして、工事に支障を生じないようにする。

(6)必要な労働力を確保したうえで、労働時間を決め、作業が安全に、工程通りに進むように目安をつけなくてはならない。

(7)資材の獲得と使用計画

 工事に必要な材料を、適切な時期に搬入するためには、まず材料を清算をして、注文、納入、保管、・使用という順序で、それぞれの計画を立てるが、搬入が早すぎてもじゃまになるし、遅ければ工事に手待ちを生じて工程が遅れるなどの問題が出ないように、十分工程を検討した上で考えなければならない。

 特に市街地での工事や住宅などの場合は、現場に十分な置き場がないのが普通であるから、材料の納入時期に関しては細かい配慮が必要であり、交通事情や天候などの輸送に影響する事例についても、注意しておくべきである。

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