4.鉄骨構造

 鉄骨は、山形鋼、みぞ形鋼、I形鋼、H形鋼、平鋼板などを素材として組み合わせてボルト接合又は溶接によって骨組を構成する架構式構造である。鉄骨造は、木造に比べて力学的構成法が同じでも、その素材の強度がきわめて強い鋼材を用いて、柱・はり・小屋組などをつくるので、大はり間の建築を施工することができる。

 普通形鋼は、一般に熱間加工によって成形されるが、最近は、薄鋼板を冷間加工によって成形する軽量形鋼を用いる(軽量鉄骨造)ことや鋼管を用いる(鋼管構造)ことも多くなってきた。

 鉄骨造の基礎は、一般に鉄筋コンクリート造とする。柱は単一材を用いる場合と、山形鋼・溝形鋼・鋼板を組み合わせてつくる組立て柱とがあり、けた・はりも同様に単一ばりと組立てばりとがある。

 鋼材は曲げ加工が容易で、接合はリベット接合・ボルト接合・ピン接合・溶接接合などによって強固にできるから、形は木造にくらべて自由につくることができる。

 壁は石綿スレート張り又は鉄網モルタル塗り、ALC板(気泡軽量コンクリート板)などを用いることが多い。また組立てや解体が比較的たやすく、鋼材は量産できるからプレハブ建築のように建築生産の工業化の構法としては最も適している。

 鉄骨造の最大の欠点は、高熱に対する耐火性がなく、空気中でさびることである。この欠点を補うために耐火材料で被覆したり、適当な保護をすることによって耐火性・耐久性が得られる。

 プレハブ建築についてのべると、プレハブとは正確にはプレファブリケーション(Prefabrication)の略で、その言葉の意味は、「あらかじめつくられた部品などを組み合わせてつくる」ということである。つまりプレハブ建物とは、建築現場以外のところで、あらかじめ、柱・はり・床・壁などを制作し、現場に持ち込んで組み立てて建物をつくることである。プレハブ構造で一番大切なことは、つみ木のようにただ組み立てていくだけでは地震や台風によって容易に建物は壊れてしまうので、組み立てられた構造上の重要部材はしっかりと接合しなければならない。地震国であるわが国では、この接合部がプレハブ構造の最大の需要点で、設計・現場での施工に特に注意する必要がある。

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