4 木目塗り仕上げ

 木目塗り仕上げには「たも」「欅」「杉」「楢」「マホガニー」などを描き出す手法がある。

 ここでは、「欅板目模様仕上げ」について紹介します。

(a)作業手順

 ①グレージングペイントの作成

 油絵の具の場合は亜麻仁油 1 : シンナー 1 : グレージングリキッド 1 の混合油(以下グレージングオイルという)を希釈剤としてブラウン系3色のグレージングペイント(半透明の塗料)を作る。

 ②地材へのアンダーコート塗り

 イラストボードに、サテン系ベージュ色のエマルション塗料を用いて均一に半つやで仕上げる。

 ③1~2時間乾燥させる。

 ④A色(B17-50L)の色を少し加えたグレージングオイル(ペイント)で、アンダーコートにほのかなブラウン色が着色する程度に、全面に塗り拡げる。

 ⑤板目の芯に近い部分に、C色(B15-40Hの赤味のあるブラウン)グレージングペイントで板目の芯部分を板目上に塗込みを行う

 ⑥グレージングペイントが乾燥する前に、フロッガー刷毛で塗面を上から下に軽く叩き塗りし、斑をぼかして木の繊維を演出する。

 ⑦A色の、半透明に濃度を変えたペイントで板目の木目柄を描き込む。欅独特な木目を調査し、その外側に重ねるようにB色(B15-30F)の濃いブラウン色のリキッド混入ペイントで板目を2重描きする。描いた後を堅い毛のはけで毛先を揺すりながらなぞる。2色が一部混合してもよい。

 ⑧バッシャーブラシを用いて板目芯より外側に下方から上方向へ一方方向でなぞる作業を繰り返して、色境をぼかすように仕上げる。

 ⑨地塗りと木目色の色差を和らげるために、木目色乾燥後ラックニスを塗り、さらにグレージングペイントを全面に塗り、斑を馴染ませる。バッシャーブラシの先端を押さえながら、5cm間隔前後で木の繊維表情を描く。この作業は、極端な色差を和らげるとともに、欅特有の木孔、冬目の年輪感を描き出す技法である。

 ⑩48時間乾燥させる。

 ⑪仕上げ

  〇漂白セラックニス 1回塗り

  〇ウレタンクリヤ 1回塗り

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