2 化学工場の塗装

(1)耐薬品塗装の目的

 化学工場などのように、酸やアルカリ、薬品ガスなどの影響を絶えず受けているような箇所の、金属、モルタル・コンクリート、各種ボード類などは腐食・劣化が早く進行しやすい。

 この腐食や劣化から被塗物を保護するためには、その雰囲気に耐えられる塗料を選択しなければならない。耐薬品用塗料はそのために用いられる。

(2)耐薬品用塗料の塗装

 耐薬品用塗料で、軽度の耐薬品性であればフェノール樹脂塗料、油変性エポキシ樹脂塗料や塩化ビニル樹脂塗料などが用いられるし、過酷な条件下ではエポキシ樹脂塗料、タールエポキシ樹脂塗料やポリウレタン樹脂塗料が使用される。

 耐薬品用塗料は、要求される条件に耐えられるものを選択するが、この中で代表的な耐薬品性塗料はエポキシ樹脂塗料である。

 エポキシ樹脂塗料は水や薬品、ガソリンなどの入るタンク内面や化学工場内壁、鉄部、床などに多用されている。

 下塗り(さび止め含む)は当然ながら同系か専用のものを使用する。

(3)耐薬品塗装の要点

 ①要求される耐薬品性能に適した塗装系を選択する。

 ②塗装仕様書に基づき塗付け量、塗り回数を厳守する。

 ③特に過酷な条件が予測される箇所は塗り増しするとよい。

 ④鉄部でさびが発生してしまうと、メンテナンスしても新設時の性能は期待できないので、軽度のうちに、早め早めに補修塗りを行う。この時の塗り回数は上塗りのタッチアップではなく、ケレンを十分に行った後に、下塗りから規定通りの塗り回数で塗装する。むしろ新設時より多く塗装するぐらいの考え方が必要である。

 ⑤いずれにしても補修は早め早めに行う。

▲このページのトップに戻る