3-3-7 その他塗料

(a)粉体塗料

 塗料を粉体化したもので、塗料種にはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂タイプなどがあります。

 粉体塗料は、静電粉体塗装機や静電流動浸漬塗装、流動浸漬塗装などで塗装され1回で厚膜が得られる特徴があることからフェンス、門扉、電化製品、自動車などに幅広く使用されています。

 特に、溶剤を使用せず、塗装時に付着しなかった塗料が回収できるなど、経済的でもあり、環境にもやさしく、注目の工場塗装用塗料です。

 

(b)水溶性塗料

 水溶性塗料は、水に溶解するように変性された樹脂を用いており、工場で電着塗装などで塗装後、加熱乾燥して塗膜を形成します。

 メラミン樹脂タイプやアクリル樹脂タイプが一般的です。

 水溶性塗料は、溶剤を使用していないことから安全性が高く、環境にも優しい塗料です。

 

(c)ニトロセルロースラッカー塗料(JIS K 5531)

 ニトロセルロースラッカーは、工業用ニトロセルロースとアルキド樹脂を主な樹脂とした、速乾形の揮発乾燥性塗料です。

 JISでは、木材面の透明塗装及びラッカーエナメルで塗装したときの仕上塗りに使用するクリヤラッカーと金属面や木材面の上塗りに用いるラッカーエナメルについて規定されています。

 ニトロセルロースラッカー塗料はエアスプレーでの塗装が一般的で、膜厚も薄く、塗り回数が多く必要であるばかりか、飛散問題もあり、使用頻度は減少しています。

 

(d)アクリルラッカー塗料

 ラッカーの持つ速乾性や光沢などを生かしながら、耐候性や耐薬品性を向上させたのがアクリルラッカー塗料です。

 最近では、ラッカーといえばアクリルラッカーに代表されていますが、ニトロセルロースラッカー同様に、使用頻度は減少しています。

 

(e)アミノアルキド樹脂塗料(JIS K 5651 クリヤ、エナメル)

 アルキル化アミノ樹脂とアルキド樹脂を主成分とした焼付け形塗料です。

 JISには、クリヤタイプで1種、2種の2種類が、エナメルタイプでは1種、2種1号、2種2号、3種の4種類があります。

 クリヤタイプはエナメル仕上げ後の仕上げ塗りに用いられます。

 エナメル1種(140℃±10℃)は耐食性を重視する上塗りに用いられます。2種1号(110℃±10℃)は低温焼付け用に、2種2号(130℃±10℃)は一般焼付け後の上塗りに用います。

 用途は主に電気器具、工業機械、建築用では鋼製建具、配電盤、家具などです。

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