電着塗装装置はめっきと同じような原理で、水中に塗料固形濃度分(ソリッド分)8~20%を槽内に入れ、金属製の被塗物を浸漬して槽内の電極に直流電圧を掛けると被塗物に塗料メリッド分を電着できます。これを引き上げ、水洗浄後、乾燥炉で加熱硬化させて塗膜とします。
電着塗装にはアニオンとカチオン電着塗装がありますが、ほとんど現在はカチオン電着塗装となっています。アニオン電着はポリブタジェン塗料が使用され、水中で負(マイナス)の電荷をもち、陽極である被塗物に電着します。カチオン電着は、ポリアミノ樹脂塗料が使用され、水中で正(プラス)電荷をもち、陰極である被塗物に電着します。
この塗装の特徴は、隙間への入り込みがよく、膜厚が均一で、塗料損失が少ないなどの利点を持ち、自動車の下塗りなど耐食性が高く評価されるライン塗装に多く使用されています。