(揮発)酸化重合乾燥(物理変化+化学変化による自然乾燥形)

 このタイプの代表が、油性調合ペイントであり、合成樹脂調合ペイントです。

 油性調合ペイントの樹脂は100%油で、ほとんど蒸発する成分はなく、空気の中の酸素と反応して乾燥する酸化重合形です。

 酸化重合乾燥は、油の中でも半乾性油や乾性油など、分子中に共役二重結合という、酸素と反応する成分を含んでいて、これと空気中の酸素が反応して乾燥します。

 この反応を早めるために、ナフテン酸金属塩などの乾燥材(ドライヤー)が配合されています。

 酸化重合乾燥形塗料を一度厚塗りにすると表面のみ酸素と反応して乾燥し、内部まで酸素が行き渡らないため上乾きして縮みが生じてしまいます。

 油性コーキングはこの原理を用いています。

 合成樹脂調合ペイントは、揮発重合乾燥形です。

 合成樹脂であるフタル酸樹脂は溶剤の揮発で乾燥しますが、油成分は空気中の酸素と反応して乾燥します。

 したがって、油性調合ペイントに比べると合成樹脂調合ペイントは乾燥が早いが、塗り重ね乾燥時間は16時間~24時間以上となっています。

 これは、見かけは乾燥していても、油成分が十分に反応していないためです。

 

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