水を使用する塗料の代表に合成樹脂エマルションペイントがあり、この塗料が融着乾燥の代表例です。
合成樹脂エマルションは、水の中に、0.5~1μm程度の非常に小さな合成樹脂が粒子として分散し、乳白色を呈しています。
塗装すると、①水が蒸発し樹脂粒子の濃度が濃くなる。 ②樹脂粒子の濃度が高くなると、粒子が接触する。 ③接触した粒子は融着し、塗膜を形成する。
合成樹脂エマルションペイントは低温で水が蒸発しなかったり、凍結すると正常な塗膜が得られないことがあるので温度管理や湿度管理には十分に気を付ける必要があります。
現在は水を使用しないエマルション:非水エマルション(NAD)形塗料が大きなウエートを占めています。
このタイプは水の変りに塗料用シンナーを用い、塗料用シンナーに溶解しない合成樹脂を小さな粒子として分散してあります。
代表的にはアクリル樹脂系があるが、弱溶剤を用いて強溶剤形アクリル樹脂塗料に匹敵する性能が得られることに特徴があります。