1.塗料の危険性
塗料の成分は顔料を除いた油、樹脂、溶剤などのほとんどのものが可燃性または引火性の物質です。特に溶剤は引火点が低いものが多く用いられ、常に引火しやすい状態にあります。また溶剤の蒸気は空気より重いため、低い方へ流れ停滞し、停滞した蒸気に火気や火花が接触すると、爆発・燃焼する危険があります。
このことをよく周知認識し、塗装作業場及び塗料保管場所で使用する照明などの機器類は防爆形のものを使用しなければなりません。
2.塗料の有害性
塗料の中には有害な成分も多く含まれます。特に有機溶剤、希釈剤は有害性を持ち、取扱い方法を誤ると人や動物に種々の障害を与えます。大部分の溶剤、希釈剤の蒸気には種々の有害作用があり、蒸気を多量に吸入したり、溶剤などが皮膚に触れたりすると急性中毒を引き起こすので取扱いには十分な注意を必要とします。また、低濃度の蒸気を長期間吸入した場合においても、
①見た目には有害性がわかりらない。
②有害物が呼吸器や皮膚から体内に入るとき、ほとんど痛みや刺激がない。
③障害が顕著になるまでには長い時間がかかる。
ことなどが災いして有害であるという認識が薄く、取扱い含意になりやすい。
通常含有されている有害物は塗料が塗布され、乾燥して硬化皮膜を形成すればその有害性はなくなりますが、乾燥硬化の過程で皮膚や眼などに付着したり、乾燥によって発生する蒸気を吸入すると障害がおこることがあるので適切な回避措置が必要です。
3.塗料の貯蔵
(1)火災や爆発の危険のない場所へ貯蔵する。(不燃構造であること)
①貯蔵所周辺では火気使用禁止など引火爆発の回避措置を行う。
(2)可燃性の蒸気が発生し難い場所へ貯蔵し、蒸気の発生を抑制する措置を行う。
①直射日光の当たる場所、湿度の高い場所などには保管しない。
②塗料の入った容器には必ずふたをする。
③自然発火する性質のものは金属製容器に入れて保管する。
(3)その他 空容器の保管
①塗料の付着した空容器は内部に蒸気が停滞し引火爆発など災害の原因となることがあるので、通風の良い安全な場所へ保管する。