(a)外装合成樹脂エマルション系薄付け仕上塗材(外装薄塗材E)
一般的にはアクリルリシンの呼称で呼ばれており、薄付け仕上塗材の代表的塗材です。
大別すると2種類があり、あらかじめ塗料中に骨材が混合されている既調合形と、現場でリシンベースに骨材を混合するセパレーツタイプがあります。
経済性を考慮するとセパレーツタイプの方が使いやすく、現場でリシンベースに直径1~3㎜程度の寒水石や白竜石などを加えて、リシンガンで吹付け塗装します。
この場合のリシンベースと骨材の混合割合は、リシンベース100に対して骨材は100~120程度です。
仕上り外観はつや消しの砂壁状です。
(b)可とう形外装合成樹脂エマルション系薄付け仕上塗材(可とう形外装渦付塗材E)
一般的に弾性リシンの呼称で呼ばれており、(a)のアクリルリシンに弾性機能を付与させたタイプです。
アクリルリシンベースが通常の硬質エマルション樹脂を使用しているのに比べて、弾性リシンは可とう性を備えたエマルション樹脂を使用しています。骨材にも軟質性のものを使用した既調合形が多いです。
(c)防水形外装合成樹脂エマルション系薄付け仕上塗材(防水形外装薄塗材E)
一般的に単層弾性の呼称で呼ばれており、外壁の塗り替えに多用されています。
ゴム弾性を備えた合成樹脂エマルションを使用した高粘度塗料で、多孔質ローラーとウールローラーを併用して仕上げる工法が多いです。
平米当たり1~1.3kg程度塗付けて波形状の模様を作りますが、通常、下地からのひびわれ幅で0.5㎜程度までは追随できるものが多いです。
(d)内装消石灰・ドロマイトプラスター系薄付け仕上塗材(内装薄塗材L)
一般的にけい藻土塗材と通称されるものなどを含み、3㎜程度までの膜厚で塗布し、調湿性を特徴にしたものが多いです。
調湿性とは、塗膜が湿気を吸収したり排出したりして、屋内の湿度調整する機能であり、中にはホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物(VOC)を吸着するものもあります。
健康住宅用として注目されています。
(e)内装合成樹脂エマルション系薄付け仕上塗材(内装薄塗材E)
一般的に京壁仕上げ又はじゅらく仕上げの通称で呼ばれている内装用の砂壁仕上げ材です。
合成樹脂エマルション塗料に微細な珪砂などの骨材が混入してあり、じゅらくガンで吹付け仕上げするタイプで、和室に適しています。